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はじめまして、バイオテックCOGNANOのいむらです。7年前に会社を立ち上げて、研究に必要なアルパカを買おうとしたのですが、日本で売ってくれるところがなくて、オレゴンに買い付けに行きました。動物輸入は両国政府の交渉が必要で、何回もアメリカに行き、18頭をジャンボジェットに乗せて輸入したのが2016年。今では、30頭に増えました。なんでアルパカ?その理由がわかっていただければ、このブログを読んでいただく甲斐があるというものです。よろしくお願いいたします!

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オレゴン州の6つの牧場からのとっておき選りすぐり18頭。このあと、ジャンボジェットに乗せられ成田へ向かいます。

変異ウイルス を捕まえる抗体デザイン

パンデミックで、ワクチン、抗体という単語が身近になっています。ウイルスタンパク質を体内で発現させるモデルナやビオンテックのRNAワクチンが実用化され、世界中で接種されるようになりました。重症になれば(なる前に)、ウイルスを抑える抗体製剤が投与されます。回復した患者のリンパ球から抗体遺伝子を読み取り、薬品化します。ただ、欠点もあります。まず、患者サンプルから材料を取るので、感染者が資源として大量に必要であること(今回は十分集まりました)、また、ウイルスが急速に変異するので、時間とともに通用しなくなること、の2つの問題です。一方、ワクチンを打てば抗体ができて感染をブロックできますが、ウイルスは変異して抗体から逃れようとします。ヒトが、ワクチンという方法で、ウイルスの進化を助けている(誘導している)という一面があります。ワクチン、抗体医薬、両方とも「過去の」ウイルスには対応できますが、未来に対応できないのがネックです。

そこで、どんなにウイルスが変異しても必ず狙撃できるシステムが必要です。そのためには、過去の患者のデータではなく、標的を先回りして予想するロジックが必要になります。とはいうものの、タンパク質の形(3D構造)は難しく、簡単に予想できるものではありません。最近、Google傘下のDeepMindというベンチャーが3D構造を予想するプログラムAlphaFold2を開発したニュースが流れましたが、これは文句なく歴史的偉業だと思われます。ただ話は、まだ終わりません。3D構造がわかっても量子論的な確率で振動する標的に「当てる」ワザは簡単ではなく、標的に結合する物質をデザインするテクノロジーは存在しません。とはいえ、AlphaFold2のような情報ツールを使って、医薬デザインが進化していくのは間違いないでしょう。そこで、アルパカの生物演算パワーが必要になるのですが、、、この話を、これからブログで書いて行きます。

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iconhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/20/news136.html
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TechCrunch | Startup and Technology News
TechCrunch | Reporting on the business of technology, startups, venture capital funding, and Silicon Valley
iconhttps://jp.techcrunch.com/2021/11/05/2021-11-04-isomorphic-labs-is-alphabets-play-in-ai-drug-discovery/
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COGNANOのビジネス

COGNANOのビジネススタイルは、バイオチームがアルパカを使って生み出すデータが畑です。豊穣な畑から、エンジニアチームが「情報という果実」を摘み取ります。それをプロダクトにしていくのですが、最終的には薬として、あるいはIoTとしてのパーソナルヘルスケアを世の中に届けられたらいいな、と思っています。バイオチームのリーダーは、遺伝子工学、生化学の第一人者まえださん、エンジニアチームはマシンラーニング(ML)のエキスパート、やまざきさん、つるべさんです。まつもとりーさんはプロダクトマネージメントやエンジニア組織・環境作り、技術広報などITに関わる全体的な技術顧問です。いむらはセールス&広報という位置付けでしょうか。京大の大学生、院生が、6名、インターンとして仕事をしてくれています。順番に、ブログを書いていってもらいますので、ご期待ください。

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いむら

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まつもとりー

生物を情報で捉える

この150年、バイオは物質主義をベースに急発展してきました。小分子を対象とする無機化学・有機化学、やがて高分子まで対象とする生化学となり、遺伝子の発見に始まった遺伝子工学、最近では移植や再生、遺伝子治療などに派生しています。しかし今のところ、バイオマンから発信されている範囲は物質主義を出ず、生き物の構成因子(タンパク、糖、遺伝子、脂質、および複合体としての細胞)が対象になっていることは変わりません。これらの構成因子を、どのように研究し開発に役立てましょうか、という発想自体は150年変わっていない、、、でもその結果、1万個の候補から1個の薬さえできない時代に突入してしまいました。巨額の開発原資を回収するために、患者あたりの治療費が1億円かかることは珍しくなく、その資本サイクルはメガファーマしか回せません。研究者の能力とは無関係に、大資本しか薬を作ることができない世界になりました。その結果、全てのコロナ薬が海外の巨大メーカーから輸入されていることはご存知の通りで、なんだか居心地わるくないですか、、、

COGNANOが目指しているのは、生物を情報で捉えようとするベクトルです。人間の認識で理解できるほど生物は簡単ではない、という事実を(元バイオマンとして悔しいのですが)受け入れることから、再出発したのがCOGNANOの立場です。具体的には、

  • 存在自体が未知だった新規ガン細胞マーカー30種類を、一回の実験データから発掘
  • 新型コロナが変異しても効き続ける治療薬シーズを1年以上前に準備

という成果を上げています。これから、順番に論文にしてお知らせしますので、お楽しみに!

生物を情報集合体として捉え「バイオとITで世界の見え方を変える」、、、ヒトの認識限界を突破することがCOGNANOのミッションです。ベンチャーとしてのプロダクトは、薬シーズであったりヘルスモニタリングであったりします。しかしエンジンは情報でありアルゴリズムです。すでに脈拍や血圧はスマートウオッチでモニターされていますが、単に数値をクラウドに上げるという話ではなく、分子ベース、細胞ベースの多次元情報をパーソナル、リアルタイムにアップロードし、ぼくらが生きている時間を安全でハッピーにするインフラにしようとしています。ですから、バイオモニタリングの原理と、アプリケーションであるIoTの両方が、ともにアルゴリズムの話になります。そのために、バイオマンとITエンジニアが接近し、共通言語で考え、作業できる場が必要でした。それがCOGNANOです。つまりこのブログは、「生きているってアルゴリズムだったんだ」をおはなしする広場です。並行して、テックブログシリーズBは、もっと個人的な目線でお話していきますので、よかったらそちらも覗いてみてください。では、次回に続きます!