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Photo by frank mckenna on Unsplash
パーパス
生命の分子情報とテクノロジーの力で、すべての人がウェルビーイングに暮らせる世界を実現する。
生きている日々。健康なときも不調なときもカラダの有様を分子情報として捉え、掛けがえのない財産として大切にしていただくためサポートを行います。生きることを生命情報として理解することで、従来の医療やヘルスケアを超えた高度なサービスを個人に提供し、豊かで充実したウェルビーイングな世界を実現していきます。
ストーリー
COGNANOは「アルパカ抗体」をデザインする目的で設立された経緯があります。しかし50年の歴史がある「モノクローナル抗体」がすでにある以上、優位性がなければアルパカ抗体を採用する理由がありません。優位性とは、、、創業動機は単純でした。
- 抗体ほど「特異性を持って分子間相互作用(結合力)を示す物質」は生物界に(つまり宇宙に)他に存在しない。生物が変わらず継承(遺伝)すべきゲノムの中で、唯一変わることができる超可変な領域が抗体遺伝子であり、外敵に対抗するために生まれた奇跡的な生物システムが抗体(獲得免疫)である。
- その意味で、「モノクローナル抗体」は途轍もないポテンシャルを持ったバイオ物質であり、じっさい人類にとっては、50年来、医学検査や創薬に欠かせないマテリアルである
- しかし、「モノクローナル抗体」は軽鎖重鎖からなる複雑な構造物で、簡単に情報化できないという問題がある。現状では人手を掛けて偶然得られた「有用抗体」を製品化しているに過ぎない
- 情報化できる抗体が存在すれば、最高のバイオ認識ツールになるだろう
- それは新しい世界観をもたらすに違いない。そんな素晴らしいシステムが存在するのだろうか
アルパカ抗体は重鎖のみからなり、コードする遺伝子を次世代シーケンサ(NGS)で解読すればデータ化できます。アルパカ抗体は特殊な小型抗体として1989年にベルギーの研究者によって偶然発見されていました。生物が自分を守る抗体だけに、免疫(ワクチン)すれほぼ無限に多様なデータを与えてくれることは自明です。もし研究者として真面目にデータを扱うつもりであれば、情報の量と質を担保しなければ意味がなく、そのために免疫反応を示す生きた動物が必須でした。試験管内で抗体やペプチドを改変する人工的な手法もありますが、結合性を高めるためには自然界が生み出す多様性を犠牲にしてトレードオフするしかありません。
2022年の時点で、公的なデータベースには、重鎖抗体(VHH)は1千個ほどしか登録されていません。一方COGNANOは、VHHデータの質(親和性と特異性)を確保しつつ量(クローン数と配列の確かさ)を蓄積する技術を開発し、抗原タグがついた数億種類のリードに成功するに至りました。この事実は、我々以外のチームは、VHH抗体のビッグデータ取得を経費問題などで諦めたか、技術的に実行困難であることを示しています。あるいは抗体の多様性を使用できるチャンネルが存在することが、(あまりに当たり前すぎて)意識化できていないか。りんごが木から落下するのを見てハッとなる人は多くはありません。
さて、では実際にアルパカ抗体VHHデータがあれば何ができるのか。「来るべき世界観」というのは、具体的にはどういうことか。ここでは数学的な想像をしてみます
- ヒトが持つタンパク質は約10万種類程度なので、抗体が認識する抗原としての部位(エピトープ)は百倍としても、10の7乗オーダーであろう
- 10の7乗をカバーするには、(量子論的な意味の)揺らぎを受容する10~100個ほどの寛容性(redundancy)を加味して、10の9乗程度の種類の抗体を抗原とタグ付け情報としてクレジットできれば十分であろう
- 一方、VHH抗体で可変部位約50箇所の配列が取りうる理論上の組み合わせは、天然アミノ酸20種類の50乗、つまり約10の70乗程度である。この情報網羅的なパワーは圧倒的だと思われれる。しかし、そのうち、抗体遺伝子が全ての可能性をイーブンに選択できるのか、制限ルールがあるのかはしられていない。
- この状況において、COGNANOがデータ取得できる抗体の種類は?
地球上の全ての地図を写真データとして取得するのに、どれだけの記憶容量が必要か、on demandで呼び出すためには、どのようなプログラムが必要か、GoogleMapの担当者は考えたはずです。わたしたちもそうしました。COGNANOのライブラリは10の8乗に到達しており、10の9乗クローン程度のスケールが可能であることがわかっています。これがバイオを数学にする事業の始まりでした。20世紀のジョン・ハンケが世界中の地図を瞬時に見えることを目指したように。
汎用化された抗体情報がバイオ空間を示すマップになる世界を目指して、COGNANOはVHHデータを蓄積し続けています。
マインドセット
私たちの考えから定義した、ミッション、ビジョン、バリュー です。
ミッション
生命の分子情報から、より高く、より多くの、ウェルビーイングを。
心も体も満たされて生きるために、自分のカラダを誰よりもよく理解したい。日々のバイオ情報を蓄積しフィードバックすることで、一人一人が自分と人生を慈しむことができる世界を目指します。
ビジョン
バイオデータと計算機科学の力で生命の分子情報を解明し続ける。
ヒトのカラダは40兆個の細胞が高度に階層化されて成り立っており、全事象を把握することは簡単ではありません。私たちは日々、分子レベルのデータを蓄積し情報構築することで、全ての生命現象を計算機科学の視座から俯瞰します。
バリュー
越境し融合する。
バイオとITの垣根を超えて融合した時、新しい世界観を手に入れます。
データと技術に誇りを持つ。
データは自然から。技術はヒトの努力と叡智。両方とも宝物です。
テクノロジーと生命をリスペクトする。
人と自然が創り給いしものへの尊敬。
粘り強く行動する。
バイオデータに基づいた世界を目指す旅は遠く、恐れずに粘り強く進んで行きます。
社会に還元する責任を果たす。
人々が幸福に生きることができる社会を最高目標とします。
チーム
私たちは、様々な分野でのプロフェッショナルチームです。共通の目標に向かって団結し、日々コラボレーションをしています。
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伊村 明浩 京都大学博士(医学)
代表取締役社長, 共同創業者
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辻 芳仁 京都大学博士(医学)
最高技術責任者
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伊村 泰子
最高財務責任者, 共同創業者
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前田 良太
開発部長
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山崎 寛章 京都大学博士(医学)
臨床医, データサイエンティスト
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鶴田 博文
主任研究員, 機械学習技術リーダー
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田村 龍太郎
ML Ops エンジニア
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広瀬 茂久 理学博士
シニア・アドバイザー
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小田 知央
ソフトウェアエンジニア
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アドバイザーのご紹介
幸運にも私たちは、最高のアドバイザーの方々と一緒に仕事ができています。
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本庄 竜介
グリーンコア株式会社 代表
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森川 智
ヤマト科学グループホールディングス株式会社 代表
会社概要
会社名 | 株式会社COGNANO |
代表取締役 | 伊村 明浩 医学博士 |
本社 | 〒601-1255 京都府京都市左京区上高野東山 64-101 |
アメリカ支社 | COGNANOUS, Inc. Spaces Davis Square 240 Elm Street, 2nd Floor, Somerville, MA, 02144 |
設立 | 2014年10月17日 |
資本金 | 39 百万円 |
主要事業内容 | VHH抗体設計・製造、コンピュータ支援創薬 |
提携 | 大阪大学, 京都大学, 京都府立医科大学, 京都薬科大学, 東京電機大学, 京都大学医学部附属病院 |